脱ハンコ宣言に逆らってまでも要求される辞任届に対する押印義務とは?(2015年~)

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脱ハンコ!!

判子屋さんにとっては何の罰ゲームなのかともいうべき宣言でした。

時はコロナ禍となった2020年(令和2年)。電子化の遅れを気にしていた政府にとって、新型コロナ禍は行政の電子化を進めるための追い風となったようです。元行政改革担当大臣だった河●太郎は、そのスピード感ある発信力が「突破力」として評価されていました。かの

河●太郎による宣言が脱ハンコだったのです。

 

脱ハンコになれば、ハンコを押すためだけに出勤しなくて良くなります。コロナ禍での

リモートワークにぴったり整合したのです。99パーセント以上の押印廃止がコロナ禍という未曽有(みぞう「ゆう」ではありません)の緊急事態宣言下でいつの間にやらド短期に実現されたのです。このことは法人登記でも例外ではありません。かつて押印が抜けていたら押印するまで手続を進めてもらえなかったものが、一瞬にして省略可へと激変したのです。

脱ハンコという社会の流れに反してまで辞任届に押印を要求するのはなぜ?

脱ハンコ宣言がなされる前でも、辞任届に対する押印は不要でしたから、辞任届に押印しないのは、もともとのことで、河●太郎の脱ハンコ宣言によるものではないといえます。なぜ辞任届がもともとハンコ不要だったかといいますと、ハンコ不要を逆手にとって、辞任届を偽造し、他人を役員の座から引きずり下ろすような悪人はいるはずないとの性善説が妥当していたからです。

 

21世紀の現代において、性善説って古めかしいとお感じかと思いますが、あながち的外れでもないのです。と申しますのも、会社法が施行される2006年(平成18年)までは、会社は一定のお金を拠出できる人にしか設立することができませんでした。そう最低資本金制度です。最低資本金制度の下では、会社を悪用した悪事を働けば、被害者から資本金を損害賠償として奪われるかもしれないという威嚇が働いていたのです。

 

しかし会社法施行により最低資本金は廃止され、資本金1円会社まで出現するようになりました。皮肉なことに資本金社会においては「無い袖振れず」というような言葉がまかり通り、資産のない会社からは強制執行をもってしても何も回収することができません。それを逆手にとってかどうかは分かりませんが、そうなると経営などする気持ちもないのに、単に悪事を働くつもりで会社を扱おうとする者が続出するのは自然の成り行きではあります。中には既存の役員を勝手に辞任させて、会社を乗っ取る事件も発生することになり、かつての性善説は崩壊したのです。

押印が必要な辞任届って結局、誰の辞任届に対しどんな印鑑を押印するの?

以上のような経緯により、くしくも脱ハンコ宣言に逆行する形で辞任届に押印が義務付けられましたが、そもそも押印が必要な辞任届って誰について必要になるのでしょうか。脱ハンコ宣言という社会の潮流に反するルールである以上、極めて例外的なルールですから、ぜひとも根拠条文に遡って確認してみましょう。

 

商業登記規則

第六十一条(添付書面)

8 代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

 

この商業登記規則という省令の61条8項が根拠条文となるわけでありますが、ま、いつもながら、お世辞にも分かり易いとは言い難い日本語でありますので、いつものように早見表にして読み解いておきましょう。なお、『法人登記Aiしてnet』の役員・社員変更登記サービスには、条文通り最適化された辞任届がデフォルトで含まれておりますのでご安心下さい。もちろん法人登記手続を東京,大阪,名古屋,札幌,横浜,広島,福岡の大都市から郊外まで全国で代行している「司法書士」による専門サイト『法人登記Aiしてnet』は役員・社員変更登記のみならず法人変更登記全般を代行しております。自分で法務局に通ってするより確実で格安の『法人登記Aiしてnet』に丸投げおまかせ下さい!!

 

<問:辞任届に対し押印が要求される場合とは?➝答:黄色網掛けの場合です。>

  法人実印を法務局に届出ている場合 法人実印を法務局に届出ていない場合
辞任届に対し法人実印による押印がなされているとき

問題がない

(61条8項但書)

あり得ない

辞任届に対し法人実印による押印がなされていないとき

法人実印を法務局に届出た(代表)取締役の辞任届に対個人実印による押印が必要

(61条8項本文前段)

代表取締役の辞任届に対し個人実印による押印が必要

(61条8項本文後段)